【健康診断】肝機能検査「 γ-GTP」の数値が引っかかった方
健康診断の項目の一つでもある血液検査での肝機能検査「 γ-GTP」 ついてです。
「 γ-GTP」の数値はお酒をたくさん飲む人が上がることの多い検査です。
今回は「 γ-GTP」はどんな検査なのかを知って基準値にするのにどんな食材や栄養素がいいのか?避けたほうがいい食材、オススメの運動などを詳しく解説します。
健康診断では基本、次の項目を行います。
- γ―GTPとは
- γ―GTP基準値
- γ―GTPわかる病気
- γ―GTP数値が高くなる原因
- γ―GTP数値が低くなる原因
- γ―GTP数値を下げる方法
- γ―GTP検査方法
- 脂肪肝
- 肝硬変
- ~ γ―GTPを基準値にするために~
- γ―GTPを基準値にするオススメ食材と栄養素
- 避けたい食材
- オススメ運動
- 最後に・・
γ―GTPとは
肝臓、腎臓、膵臓などに合成する働きをして、解毒作用に深く関係して重要な役割をしてくれています。
γ-GTPは肝臓以外に腎臓にも含まれている
γ-GTPは肝臓の状態を表す数値としてよく知られていますよね、しかし体内では肝臓以外に腎臓にも多く含まれていています。
肝臓の中では、通常肝細胞や胆管細胞、胆汁中にも存在して器官にも多く含まれています。
γ-GTPはアルコールに敏感
γ-GTP数値はアルコールに敏感に反応するので、肝障害を起こしていなくても普段からよくお酒を飲む人では数値が上がります。
なのでお酒の飲み過ぎを原因とした脂肪肝や肝炎などといった【アルコール性肝障害】になりやすくなります。
*健康な人は、一時的にγ-GTPの数値が上がったとしてもすぐにもとに戻るので、一定期間禁酒した後にγ-GTPの再検査をすれば、アルコールの摂りすぎで数値が上がっていたのか、肝臓や膵臓などの障害によって上がっていたのかを区別は簡単につくのです。
軽度であれば自覚症状はない
γ-GTPの数値はアルコールや薬剤に敏感に反応するので大量につくられます。
γ-GTPの数値が基準値よりも上がっていても軽度であれば自覚症状はありません。
γ-GTPの数値食べ過ぎや運動不足でも上がる
γ-GTPの数値が上がるのはお酒だけではありません。
食べ過ぎや運動不足、肥満、ある種のお薬などによって内蔵肥満などの原因で上がることもあります。
アルコールに関係なく生じた非アルコール性脂肪性肝炎(アルコールに関係なく肝臓に中性脂肪がたまり、それが原因で起こった肝炎のこと)でも、γ-GTP値が上がることがあります。
女性ホルモンが多いとγ-GTPの数値は低くなる
γ-GTPの数値は、女性ホルモンが多いと低くなることから、女性ホルモンが多い女性の方が男性よりもγ-GTP基準値が低くなるのです。
γ-GTPの数値が200IU/Lを超えた場合の症状
γ-GTPの数値が200IU/Lを超え、重度になると疲れが取れなくなり、全身のだるさや
発熱・嘔吐・腹痛・下痢などの症状が表れます。
さらに悪化すると吐血や下血による胃腸からの出血、むくみ、腹水などが起こってきます。
γ―GTP基準値
・男性で0〜50U/L以内
・女性の場合は、0〜32U/L以内
*数値が100以上を超えているとなると要検査をします。
γ-GTPの基準値が基準値未満場合
成人男性10IU以下、成人女性6IU以下。
特に問題はありませんが、たんぱく質が不足している可能性があります。
胆石とは
胆道がんとは
γ―GTPわかる病気
γ-GTPの数値からなりやすい病気
・軽度の増加: 正常値の0値~100IUの間です。
アルコール性肝障害、薬物性肝障害、慢性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんなど
・中等度の増加: 100~200IUの範囲。
アルコール性肝障害、薬物性肝障害、慢性活動性肝炎、肝硬変、肝がん、脂肪肝、胆道疾患など
・高度の増加: 300~500IUの範囲。
アルコール性肝障害、閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ帯、慢性活動性肝炎など
・重度の増加: 500IU以上の場合
急性肝炎、閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ帯など
アルコール性肝障害 50〜1,500
胆汁うっ滞 100〜1,000
胆管細胞がん 100〜1,000
転移性肝がん 50〜1,000
副腎皮質ホルモンの投与 50〜1,000
抗てんかん薬の投与 50〜1,000
原発性胆汁性肝硬変 100〜600
幹細胞がん 50〜500
慢性肝炎・肝硬変 30〜300
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH) 30〜300
家族性高γ-GTP血症 100〜3,000
肝機能の検査を受けると、
高値:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝炎、薬剤性肝障害、胆道系疾患など
アルコール性肝障害とは
薬物性肝障害とは
慢性肝炎とは
肝臓がん(肝がん)とは
閉塞性黄疸とは
胆汁うっ滞とは
非アルコール性脂肪性肝炎とは
γ―GTP数値が高くなる原因
お酒の飲みすぎや肥満、運動不足が原因
γ―GTPの数値が高くなる原因として、ほとんどがお酒の飲みすぎで上がることが多いのでγ―GTPの数値が高くなる原因として、飲酒をしていなくても肥満、運動不足、一部の薬の作用が原因でγ-GTPの数値が上る人もいます。
肝機能が低下してしまうのが原因
γ―GTPの数値が高くなる原因として、脂肪肝、肝炎、胆石、胆道系のがん、原発性胆汁性肝硬変とよばれる肝機能が低下して肝臓内の胆汁の流れが悪くなる原因で胆道系の病気など、抗てんかん薬や向精神薬、抗けいれん薬、向精神薬、ステロイドを日常的に服用している場合にも、γ-GTPの値が上がります。
*肝炎は放置すると肝硬変やがんへ進行する場合もありますので、健康診断で要精密検査、要治療とされたらすぐに病院へ行って治療しましょう。
γ―GTP数値が低くなる原因
γGTP検査を受けた人の中には、低い数値の人もいます。
低い分には問題はなく病気の疑いもないと言われています。
全くお酒を飲まない人は1桁の数値を示すことは珍しくありません。
γ―GTP数値が低い例
・女性の場合は女性ホルモンの関係でγGTPは低下します。
・妊娠している場合も女性ホルモンの影響でγGTPの数値が1桁を示すこともあります。
・たんぱく質の摂取が少ないことです。
*飲酒しているにも関わらず数値が低くて心配だという方は、医師に質問してみることをオススメします。
γ―GTP数値を下げる方法
お酒の飲み過ぎでは禁酒が効果的
お酒の飲み過ぎでγ―GTP数値が上がっている人でγ―GTP数値を下げるには禁酒が一番です。
軽度の異常値であれば節酒や禁酒を心がけて肝臓への負担を軽減すれば数値を正常値に戻すことは出来るので、基準値を目指してお酒を控えましょう。
γ―GTP数値を下げる方法はγ―GTP数値によって違いが出てきます。
γ―GTP数値を下げるγ-GTPの数値の目安
γ-GTPが100以下の場合
γ-GTPが100以下の場合はお酒を控えたり、禁酒すれば1週間もすれば下がり始めて、すぐに正常値に戻ります。
100 IU/Lを超えた場合
100 IU/Lを超えた時点でアルコール摂取を控えるようにします。
100以上の場合はお酒の飲みすぎにより脂肪肝が進行して病気になっている可能性があるからです。
200 IU/L以上となった場合には
200以上の場合はアルコールの過剰摂取のみならず胆石や胆道がんによって胆道が詰まっている危険性があります。
なので精密検査を受ける必要があります。
500 IU/L以上の場合
さらに危険度は増すので胆道が詰まって悪化していて黄疸がでます。
*200 IU/L以上になると専門医の受診が必要となります。
*もし禁酒が無理な人はアルコール依存症の可能性も 考えられます。専門医に相談してアルコール依存症の治療が必要な可能性が高いです。
γ―GTP検査方法
γ-GTPは一般的に血液検査により血液を採取して数値を調べます。
γ-GTPは数値が上がっている時は血液中に漏れ出すので血液検査で確認することができます。
採取した血液を遠心分離機にかけ、自動分析器により赤血球と血清にわけて、血清の部分を検査します。
この結果によって、肝臓関連の病気が引き起こされている可能性を見つけ出すことが出来るのです。
脂肪肝
脂肪肝は肝臓に中性脂肪が異常に溜まった状態のことを言います。
・脂肪肝の原因
暴飲暴食などからの肥満やアルコールの大量摂取です。
γ-GTPの数値が高い場合は、AST(GOT)やALT(GPT)LDH(乳酸脱水素酵素)、
中性脂肪などの数値などを調べ、原因は総合的に判断する必要があります。
・治療方法
脂肪肝は生活習慣病の1つの為、規則正しい食生活、禁酒、運動をすることで脂肪肝を基準値に戻すことができます。
*脂肪肝を放置すると、肝線維症やアルコール性肝炎に進行し、肝硬変、肝がんなどの病気を引き起こすリスクが高まります。
肝硬変
肝硬変は慢性肝障害の進行により、細胞が破壊された結果肝臓が硬く変化してしまう病気です。
: 肝硬変になる原因
・C型肝硬変、60%・B型肝硬変、15%・アルコール性肝硬変12% が原因だと言われています。
:肝硬変の症状
・軽症の場合は食欲不振や全身のだるさ、疲労、体重減少などが見られます。症状が悪化すると黄疸が出てきます。
・重症になると下肢の浮腫、腹水による腹部の拡張、意識障害や吐血が見られ、命の危険がでてきます。
:治療方法
肝硬変は治療が困難と言われています。
しかし、全く回復の見込みがないわけではなく、食生活を見直すことで進行を防止することができます。
*肝硬変になると禁酒は余儀なくされます。
飲酒により引き起こされた肝硬変が肝がんに進行するケースもあります。
重症な疾患にならないようにするには、食生活を見直すことが重要です。
~ γ―GTPを基準値にするために~
γ―GTPを基準値にするオススメ食材と栄養素
肝臓自体の働きを高めるために効果的な食べ物はしじみや牡蠣です。
オルニチンや亜鉛、タウリンなどが多く含まれていることから、肝臓の働きを活性化させることができます。
同時に肝臓の機能が低下すると、ビタミンを体内に溜める働きが低下することから、
ビタミンC・ビタミンEや亜鉛、カルシウムなども積極的に取ってください。
・ ビタミンC
甘柿、 イチゴ、 ブロッコリー、レモン、カブ葉、 大根菜、ほうれん草
・ビタミンE
アーモンド、唐辛子、かぼちゃなど
・亜鉛
抹茶 牡蠣牛肉豚レバーなど
・カルシュウム
牛乳、魚介類など
・タウリン
しじみ、カキ、キノコ類など
*豆腐や卵などの良質なタンパク質を取って必須アミノ酸を意識的に取り入れましょう。
避けたい食材
オススメ運動
日常的に運動をしていない方が急に激しい運動を始めると体に負担がかかり怪我などの原因にもなります。
大切なのは継続して続けることです。
そのために負担になりすぎない様に毎日続けられるような有酸素運動をしましょう。
ウォーキングやスイミング、ストレッチなどストレス発散にもなりえるものを選びましょう。
*運動の時間を作るのが難しいという方には、 通勤(通学)時に一駅分歩く 早歩きで歩く 階段を利用するなど 運動を意識する ようにして生活に無理なく取り入れてみてください。
下記の記事を参考に自分に合った運動を見つけてくださいね。
最後に・・
γ-GTPの数値が上昇する時はだいたい肝臓や胆嚢や胆管などのピンチです。
とにかく早く、ドクターの診察と検査を受けるようにして下さいね。
γ―GTPを基準値治療方法・対処法 脂肪肝は生活習慣病の1つの為、
規則正しい食生活、禁酒、運動をすることで脂肪肝を基に戻すことができます。
健康診断を受ける前の注意事項
健康診断を行う時に正確な数値が出るよう、空腹時採血(10時間以上の絶食)を勧めらてています。
採血のある日の食事摂取に気をつけましょう!